住宅ローンを滞納するとどうなる?競売の流れ
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住宅ローンを滞納すると遅延損害金や一括返済請求が発生し、最悪の場合競売に進みます。競売は市場価格より低く売却されるため、債務が残るリスクがあります。競売を避けるには任意売却や個人再生が有効です。滞納を防ぐためには収支の見直しや早期の金融機関への相談、金利の低いローンへの借り換えを検討することが大切です。
目次
住宅ローンを滞納するとどうなる?
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家を購入する際、ほとんどの方が住宅ローンを利用することが多いのではないでしょうか。しかし、予期せぬ人生の変化や経済的な困難により、住宅ローンの支払いが難しくなることもあります。
遅延損害金の発生
住宅ローンは借金であるため、支払いが遅れると遅延損害金が発生します。遅延損害金は、滞納期間が長くなるほど高くなり、支払額が膨らんでいきます。最初のうちは滞納した金額と遅延損害金を早期に返済すれば、大きな問題にはならないこともあります。
一括返済の請求
滞納を続けると、金融機関から一括返済を求められることになります。一般的には、滞納が3〜6ヶ月続くと、一括返済の請求がされることになり、その段階で、信用情報に事故情報が登録され、いわゆるブラックリストに載ることになります。
信用情報に事故情報が登録されると、今後の借り入れやローンの審査に大きな影響を与えるため、住宅ローンの返済を続けることができない場合、その後の人生にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
一括返済ができない場合、金融機関は債権回収のため、競売による強制的な不動産売却手続きを始めます。このプロセスが進行すると、最初の滞納から約10〜12ヶ月後には競売が行われ、最終的には強制退去となる可能性もあります。
競売
競売にかけられると、住宅の売却価格がローン残高をカバーできない場合、差額を支払わなければならないこともあります。また、競売による売却は通常、市場価格よりも安く売却されるため、大きな損失を被ることになります。
競売に至るまでの流れ
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実際に競売にかけられることになった場合、どのような流れで進んでいくのでしょうか。競売は一度始まると、いくつかの段階を経て進行します。
ここでは、その流れについて詳しく解説します。
◇1.督促状が届く
住宅ローンを滞納して2〜3ヶ月程度経つと、督促状が届きます。督促状には、未払いの債務について記載されており、指定された期限内に必ず支払うよう求められます。
この督促状を無視すると、競売の手続きが始まる可能性があります。
支払いが難しい理由がある場合は、放置せず、早い段階で金融機関に相談することが重要です。
◇2.期限の利益が喪失する
督促状を無視し、住宅ローンの滞納が3〜4ヶ月続くと、期限の利益を喪失することになります。期限の利益とは、分割で支払う権利のことを指し、この権利を失うと、ローン残高を一括で支払わなければならなくなります。
たとえ数千万円単位で残っているローンであっても、期限の利益を喪失すると一括返済を求められます。
もちろん、経済的にローンを組んでいる状況では一括返済は不可能なため、ほとんどの場合、次のステップに進むことになります。
◇3.代位弁済の手続きに入る
住宅ローンを滞納して4〜5ヶ月が経過すると、競売にかけられる前に「代位弁済」の手続きが始まります。代位弁済とは、保証会社が債務者に代わって住宅ローンの残りを一括で返済することです。
通常、住宅ローンを利用する際には、融資を受けた金融機関とは別に保証会社を立てることが一般的です。
保証会社は、万が一住宅ローンが支払えなくなった場合に、その残りを引き受ける役割を担います。この手続きが行われても、住宅ローンが無くなるわけではなく、支払い先が金融機関から保証会社に変わるだけです。
◇4.競売が開始
住宅ローンを滞納して6ヶ月が経過すると、いよいよ競売が開始されます。競売の手続きは、債権者が裁判所に競売手続きの申立てを行い、裁判所が開始決定をすると、競売が始まります。
競売が開始されたかどうかは、裁判所から「担保不動産競売開始決定通知」が送付されることで確認できます。この通知が届いた場合、引越しの準備を進め、強制退去に備える必要があります。
◇5.現地調査・入札
住宅ローンを滞納して6ヶ月から1年が経過すると、競売が開始され、現地調査が行われます。現地調査では、対象となる住宅がいくらで競売にかけられるかを調査します。執行人と評価人が、立地や築年数などを基に、競売の売却基準価格を決定します。
調査が終了し、売却基準価格が決まると、債務者には競売の日程を通知する「期間入札通知」が送付されます。この通知は、競売開始決定から2〜6ヶ月程度で届くため、通知が届くころまでには次の引越し先を決めておくと安心です。
◇6.競売完了
住宅ローンを滞納して1年が経過すると、競売はオークションと同様に行われ、購入希望者が入札します。最も高い金額を提示した人が落札者となり、代金が納付されると競売が完了します。
所有権は落札者に移転するため、その後は債務者はその家に住むことができなくなります。
競売を避けるには?
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ここでは、競売を避けるためにできる方法について解説します。
◇任意売却
任意売却は、不動産を売却しても住宅ローンの残債が残る場合に、金融機関から抵当権解除の承諾を得て行う売却方法です。売却後も残ったローンの返済は続ける必要がありますが、任意売却は競売とは異なり、市場価格に近い額で売却できるため、より有利な取引が可能です。
◇個人再生によるリスケジュール
住宅ローンを滞納した後、競売に進む前に選べる方法のひとつとして、任意売却の他に「個人再生を利用したリスケジュール」があります。
個人再生によるリスケジュールは、住宅ローン以外の債務が複数ある場合に有効で、債務を最大で5分の1まで減額することができます。減額された債務は、原則として3年間で返済していきます。
個人再生の大きな特徴は、家を売却せずに済む点です。したがって、家を手放したくない場合に有効な方法です。また、個人再生後に再度ローンの返済が難しくなった場合、任意売却を選択することも可能です。
住宅ローン滞納を防ぐには?
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ここでは、滞納を避けるための方法について解説します。
◇収支の見直し
住宅ローンの滞納を防ぐためには、まず支出を見直し、削減できるものがないか徹底的に検討することが大切です。その上で、不用品を売却したり、副業を始めたりするなどして収入を増やす方法を考えるとよいでしょう。
支出を減らすための具体例としては、格安SIMのスマートフォンに変更することや、車を手放すことが効果的です。また、保険の見直しや、買い物リストを事前に作成して衝動買いを防ぐことも有効な方法です。
◇金融機関へ相談
住宅ローンは無断で滞納せず、滞納の可能性が出てきた時点で早めに金融機関に相談することが重要です。場合によっては、支払い猶予や返済スケジュールの変更を受け入れてもらえることもあります。
◇住宅ローンを借り換える
現在の住宅ローンより金利の低いローンに借り換えれば、総支払額や毎月の返済額を抑えられる可能性があります。しかし、住宅ローンの借り換えには多くの手数料がかかるため、十分な預貯金がない場合にはおすすめできない方法です。
◇融資制度の利用
住宅ローンを滞納しそうな場合、国や自治体が提供する融資制度を利用することもひとつの方法です。
これらの融資は、無利息や低金利で受けられることがあります。例えば、「緊急小口資金貸付」や「総合支援資金」などが利用可能です。
甲府市のおすすめ不動産会社3選
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ここでは、甲府市でマンションを売却する際におすすめの不動産会社を3社ご紹介します。
◇LIXIL不動産ショップ 株式会社プライムホーム
株式会社プライムホームは、「不動産業務全般を扱う総合不動産会社」として、幅広い内容に関して気軽に相談できることをモットーとしています。顧客目線での提案やサービスには定評があります。
会社名 | LIXIL不動産ショップ 株式会社プライムホーム |
住所 | 〒400-0047 山梨県甲府市徳行3丁目4-24 |
電話番号 | 0120-800-955 |
免許番号 | 山梨県知事 (3) 第2321号 |
◇積水ハウス不動産
積水ハウス不動産は、大手ハウスメーカー積水ハウスを母体に持つ不動産会社です。長年の経験に基づいた専門的な知識を活かし、マンション売却に関するさまざまなニーズに柔軟に対応。経験豊かなスタッフが売却の過程での不安や疑問をしっかりサポートし、最適なアドバイスを提供します。
会社名 | 積水ハウス不動産 東京営業部 本店営業所 山梨オフィス |
住所 | 〒400-0041 山梨県甲府市上石田3丁目6-38 |
電話番号 | 055-220-6731 |
免許番号 | 国土交通大臣(13)第2250号 |
◇東京セキスイハイム
東京セキスイハイムは、売主と買主の双方にメリットを提供する多様なサービスを展開し、幅広いニーズに対応できる充実したサポート体制を整えています。不動産の売却や買取に関するご相談では、お客さま一人ひとりのニーズに合わせた細やかなコンサルティングを提供しています。
会社名 | 東京セキスイハイム株式会社 山梨支店 |
住所 | 〒409-3866 山梨県中巨摩郡昭和町西条5229 |
電話番号 | 0120-816-022 |
免許番号 | 国土交通大臣(04)第007584号 |
住宅ローンを滞納すると遅延損害金が発生し、滞納が3~6ヶ月続くと一括返済を求められます。一括返済ができない場合、競売に進む可能性があり、競売では市場価格より低く売却されるため、多額の債務が残るリスクがあります。
競売を避ける方法として、金融機関と交渉して市場価格で売却する任意売却や、家を手放さずに債務を減額する個人再生があります。滞納を防ぐには収支の見直しや、早期に金融機関へ相談することが重要です。
また、金利の低い住宅ローンへの借り換えも選択肢の一つですが、手数料に注意が必要です。